マラソンランナーの踵の痛み

スポーツ障害

毎日、朝起きて歩くと踵が痛い。そのような患者さんがいらっしゃいます。踵に痛みが出る原因は、さまざまあります。

多くは、筋肉のコリ(トリガーポイント)が慢性化して起こると考えています。

・足底方形筋

・ひらめ筋

・腓腹筋

これらの筋肉のコリが踵の骨やアキレス腱、踵の骨とアキレス腱付着部にストレスをかける事で炎症が起こります。

痛みが続くと炎症は、慢性炎症になり痛みがなかなか取れなくなります。

また、アキレス腱の繰返のストレスによりアキレス腱自体の障害をおこし症状が悪化すると考えています。

目次

ランナーの症例

60代男性、ランナー、職業:教員、の症例

フルマラソン後、左膝と踵、アキレス腱部分の痛みがひどくなり来院しました。

以前より、起床時歩くと踵が痛くなっている状態でした。

まず、急性の痛みを回復させる事が優先になりましたが、ご本人の希望もあり、再発をしない状態にしたいという希望もありました。

検査

なぜ同じ個所に慢性的な痛みが出ているのか?

当院では、単純に体のバランスが崩れると、ある特定の部分にストレスがかかり障害を起こすと考えています。

実際、世の中の構造物もバランスが保たれている時と、バランスが崩れている時とでは、劣化の仕方が違います。

今回もまず体のバランスチェックを行ないました。

予想とおり、患者も右股関節が過剰に外旋し左股関節が内旋している状態でした。

その状態に合わせ、骨盤と背骨もねじれのストレスが定着していました。

その影響で、膝の捻転負荷、踵のストレスへとつながったのだと考えました。

また、アキレス腱は、長い期間ストレスを受け続けたため、健側と比べやせ細った弱い状態になっていました。

また、冒頭でご説明した、下腿三頭筋、足底方形筋のトリガーポイントもありました。

施術と経過

施術は、まず急性期の強い痛みをとる事からスタートしました。(1週間に1回の施術)

骨格のバランス治療と踵の炎症部分のマイクロカレント(微弱電流)、下腿三頭筋のトリガーポイントへの鍼治療を行ないました。

2回目以降は、超音波を利用するなど、症状に合わせた施術をおこなっていきました。

急性期の痛みは、3回目の治療時には、だいぶ回復していました。

4回目以降は、起床時の踵の痛みのため、バランス治療と踵、膝の調整を中心に行いました。

3ヶ月の治療で症状が改善し、ラインニングの練習を少しずつ開始しました。

2ヶ月後のフルマラソンを目標に調整しながらマラソンの練習を続けていきました。

経過:患者さんからのご報告があり、フルマラソンを完走でき、今まで痛かった部分の膝や踵の痛みが出なかったと言う事でした。私も、マラソンをやっているので、すごく気持ちがわかり嬉しかったです。ランナーさんは、特に同じ個所に痛みがでる場合は、注意です。多くの方が、体のバランス崩れから、同じ個所にストレスがかかり痛みにつながっていると考えています。心当たりがある方は、是非お気軽にご相談ください。

 

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この記事を書いた人

駒崎 光輝
2010年に柔道整復師の免許を取得し、東京や神奈川、札幌など4つの治療院で修行した後、健康とカラダをつなぐをコンセプトに、2015年4月より地元江別で鍼灸整骨カラダステーションを開業しました。
誰もが人生の最後まで健康でいられる社会を目指し、健康情報を発信しています。

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