東洋医学では、検査機械がなかった時代に四診という診察法が使われていました。四診とは、「望診」「聞診」「問診」「切診」の4つの方法を使い総合的に体の体質や状態を把握するために使われていました。
「望診」:患者の顔や皮膚、態度、全身の様子などを観察します
「聞診」:声の大きさや発音、呼吸音や口臭、体臭などをみます
「問診」:症状の経過や痛み、かゆみ、冷えなどの自覚症状を確認します
「切診」:患部の熱や腫れ、むくみ、圧痛、脈などを確認します
今回は、自分の目で体の状態を確認できる「望診」で体の状態をセルフチェックする方法をご案内します。
目の状態で確認
顔で最もよく働き、エネルギーを大量に消費する期間は、脳とその一部である目です。
血液は、肝臓の働きによってもたらされます。肝臓の働きが悪くなり、血液に十分な栄養が行き届かなくなると、目の栄養状態が悪くなり、目の疲れ、かすみ、ぼやけ、視力低下、ドライアイなどの症状が現れます。さらに続くと、目の回りのクマやくすみ、シワなどの症状が現れます。
目は、内臓機能の低下の判断材料になるのです。
では、具台的にどのような時に、どのような状態がわかるのかみていきましょう。
まぶたがむくむ
朝起きたらまぶたがむくむでいるのは、体の水分のめぐりがうまくいっていない状態です。
水分代謝の不調は、腎臓の働きが弱まっている、胃腸が弱い、心臓が悪いなどが考えれます。
目の下のクマ
目の回りの黒ずみは、血行障害と泌尿生殖器系に関連する腎が衰えていると考えます。
目の下の皮ふは、他の部分より薄いため、血液の色を良く反映します。
目のくぼみ
疲労が蓄積した顔の状態です。
まぶたの裏側が白っぽい
下まぶたをめくって鏡でみると、粘膜に無数の毛細血管が走っています。
全体の印象として、血管があまり見えず白っぽいと感じたら貧血ぎみと考えます。
まぶたの黄白色の小さな盛り上がり
これは、脂肪のかたまりで、比較的皮ふの柔らかい部分にでます。
コレステロールのとりすぎのシグナルと考えて、食生活を改めましょう。
白目が黄色い
血液の中に胆汁が多く流出しているため、白目が黄色くなります。これは、黄疸と呼ばれるものです。
白目が赤い
目が血走ったように充血しているのは、目の疲労です。あるいは、精神的なストレスが高まっていると考えます。
目を酷使したわけでもないのに目が充血している場合は、肝臓のトラブルの可能性もあります。
ものもらい
体の免疫力の低下が考えられます。又、まぶたは胃腸の働きと関連がふかい部分なので、胃腸の弱い方も、ものもらいになりやすいです。
目が疲れやすい
睡眠不足の日は、目がしょぼしょぼします。夜の睡眠中に、肝臓は、血液を浄化し、栄養素を与え、翌日に備えます。
睡眠が足りないと、肝臓が血液を養う作業を十分にできないので、目に供給する血液が不足して、目が疲れやすくなります。
目が乾く
目が乾くとは、いわゆるドライアイの事ですが、からだの水分が減少している高齢者に多くみられる疾病です。
テレビやパソコンのみすぎや、長時間にわたる車の運転などで、まばたきの回数が減っているため。また、睡眠不足、過労、ストレスなどで結構が悪くなっている時も、目が乾燥します。
涙がやたらでる
涙には、潤滑油としての働きがあります。しかし、風にあたったくらいで過剰に涙が出すぎるのは、肝臓が十分に目を養うことができなくなります。
参考文献)顔をみれば病気がわかる 出版社:草思社
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