腕のしびれは、頸椎ヘルニアや頸椎症、胸郭出口症候群など様々な原因があります。
最近、当院で来院した患者さんは、交通事故後をきっかけに腕のシビレに悩まされていました。
今回の症例を検討してみます。
交通事故後に起こった症状
今回の症例の患者さんは、2017年夏に追突事故を起こしました。
当時腰の痛みを訴えて、病院でレントゲン検査で異常が見当たらなかったので、当院へ来院しました。
腰部の状態は、2~3周でよくなりいったん治療終了となりました。
その時は、自覚は少なかったのですが、以前より肩こり症状が強くなったと感じていたようです。
しびれが発症
その後、肩こりの症状が続いたまま冬を迎え、肩こりや背中のはりが強くなり痛みが出るようになりました。
気が付くと、仕事でパソコン作業をしていると右腕にシビレが出現するようになりました。
冬になり症状が強くなってきたため当院へ来院しました。
治療開始
当院での治療は、まず体のバランスを確認します。骨盤のゆがみや肩甲骨のポジション、脊柱にゆがみや筋肉の硬さなどをチェックしていきます。
肩や背中のこりと痛み
体の状態を確認した際の結果は、シビレの出ている右側の肩甲骨が外転(外側に引っ張られている状態)している状態でした。
その為、脊柱から外側に引っ張られた肩甲骨のポジションで背中、肩から首にかけての筋肉の伸長負荷強くなりました。
反対側の肩甲骨は、右側の肩甲骨に引っ張りに対して拮抗しようと緊張がでています。
それが、慢性的な肩こりや背中のこりや痛みにつながったと考えます。
腕のしびれ
今度は、腕のしびれについて検証してみました。
本人は、首の動作時の痛みや頸部伸展時のシビレの増強などはありませんでした。
頸椎由来の症状が見当たらない状態です。
考えられるのは、先ほどの検査時にわかった右肩甲骨が外側に変位していたことで、肩が内側に入り胸郭出口症候群の症状が出ていたと考えました。
施術の進め方
当院独自の脊柱調整でゆがみをとりながら、右肩甲骨を外側に引っ張っている障害筋肉の調整を行ないました。
右肩甲骨外側の主な原因筋は以下になります。
- 菱形筋
- 肩甲下筋
- 小胸筋
- 前鋸筋
- 腹斜筋
上記の筋肉を鍼治療や手技、超音波治療などを交えながら問題をとりました。
経過
今回は、週に2~3回の来院ペースで治療を行ないました。
の結果、約5回の治療でシビレが気にならない程度のレベルに改善されました。
今回は、交通事故時に腰部の痛みのみの治療を行ないました。結果的に頸部周辺の問題を残した状態だったと考えます。交通事故時は、それほど気にならない症状でも傷病を認めてもらい治療する事が大切だと考えます。
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