40代から50代の方が、ある日を期に肩が痛くて上がらなくなった?!生活するうえで、肩が痛いってほんとつらいですよね?もしかすると、それって俗にいう四十肩、五十肩かもしれません。いったいどんなものなのでしょうか?解説していきます。
最初は肩こりの様な症状から始まるケースもあり、治るかな?と思って時間が経てばたつほど、難治になります。
四十肩、五十肩とは
肩の痛みには、さまざまな原因やきっかけがあります。
- 転倒して手をついた時に肩を痛めてしまった
- ものを持ち上げた時に肩の腱板(肩を動かすために使うインナーマッスルのこと)を損傷してしまった
- 肩関節に石灰(リン酸カルシウムの結晶化したもの)がたまって炎症を起こす石灰沈着性腱板炎というものもあります。
四十肩、五十肩は、上記の内容があてはまらず、はっきりとした原因がわからない肩の痛みのことです。この突然くる肩の痛みが40~50代に多いことから、このような名前がついたようです。正式には、肩関節周囲炎という症候群のことで、肩関節に炎症が起きて痛みがでることです。
症状について
人によって症状は違いますが、鈍痛から始まり、徐々に痛みが鋭くなっていきます。肩の可動域が狭くなり、生活動作でさまざまな障害を起こします。
- 肩が90度以上あがらず、棚のものが取れなくなる
- 手を後ろに回すことができず、エプロンの紐がむすべない
- 寝返りをうつときに、痛みで目が覚める
- 手が上がらないため、シャンプーができない
上記以外にもたくさんの障害が起こります。肩が動かせないということは、日常生活で本当に困りますよね。
経過ごとにやるべきこと
ではもし、四十肩、五十肩になってしまった場合、治るのにどれくらいかかるのでしょうか?
これまた人によって経過は違いますが、完治するまでに1年以上かかることもあります。炎症期、拘縮期、回復期という経過をたどります。その時々で、注意点とやるべきことがあります。
炎症期
初期症状で炎症が強い時期です。何をしていても痛い状態です。この時期は、とにかく無理をせず安静が大切です。無理をすると炎症が強くなり、痛みが強くなります。痛みが耐え難い場合は、湿布など消炎鎮痛剤の力をかりることもいいでしょう。治療院では、電気治療や鍼治療などを行いなるべく早く炎症がおさまるように治療します。
拘縮期
炎症期が終わり、安静時の強い痛みがなくなります。肩関節が固まり、動かす範囲が狭くなります。肩を無理に動かすと痛みがでます。この症状の原因は、大きく2つあります。
- 炎症による関節内の癒着が起こっていること
- 動かせない期間が長かったことから筋肉や関節の動きが悪くなること
この時期は、少しずつリハビリをしながら関節可動域の回復が必要な時期です。黙っていると、動きが悪いままの状態が続いてしまう場合もあります。
注意しなければならないことは、焦らないことです。無理に可動域を戻そうとすると、再度炎症が起きてしまうこともあるからです。こつこつとストレッチをしながら、動きの回復を図ります。治療院では、鍼に電気をながして動きの悪い筋肉を動かします。ストレッチや運動療法、必要に応じて、肩甲骨や背骨の動きもみていきます。
回復期
日常生活での問題があまりなくなってくる時期です。特定の動きで肩が突っ張って、筋肉が引っ張られるよう痛いが残っているような状態です。拘縮期と同じようなリハビリがつづきます。特定の動きに関係した筋肉にストレッチや治療を行っていきます。
本当に原因はないのか?
現代医学では、関節を構成する組織の老化や変性がおき、関節周囲の組織に炎症が起こると考えられています。しかし、当院では、ただ単に老化とは考えておりません。なぜなら、すべての人が四十肩、五十肩になっているわけではないからです。
デスクワークやスマートフォンなどで、座っている時間が長いと、猫背姿勢や体のバランス崩れがおこります。四十肩、五十肩などで来院された方は、肩甲骨のポジションが悪い方が多いです。悪い姿勢や肩甲骨の動きが悪くなることで、肩の問題につながっているのではないかと考えています。
四十肩、五十肩は予防が大切です。普段から体を動かし柔軟性を維持することが大切です。
四十肩、五十肩は、治るまでに時間がかかります。肩の痛みは、日常生活のさまざまな障害につながります。普段から運動などをして体の柔軟性を維持し、予防をすることが大切だと思います。
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