五十肩になった場合、肩の痛みだけでない場合があります。発症初期には、腕に放散痛がでる場合があります。一時的ではあるが、耐え難い痛みがでる場合があります。五十肩の中でも、症状が強いケースになります。
原因や対処法について解説していきます。
なぜ五十肩の症状なのに腕が痛くなるのか?
五十肩になると、肩の痛みにより動かせる範囲が狭くなります。動かせる範囲が狭くなると、肩から腕にかけての筋肉や関節が硬くなり腕が痛くなります。痛みの原因は、大きく3つあると考えています。
- 筋膜性疼痛症候群筋肉による痛み
- 筋膜炎による痛み
- 絞扼性神経障害(肩から腕にかけての血管や神経が圧迫される
3つの内容について解説してきます。
1筋筋膜性疼痛症候群による痛み
五十肩に限らず、肩に痛みを抱えている人は、肩のポジションが良くありません。肩の悪いポジションは、肩関節に負担がかかり正しい動きができなくなります。
多くは、肩関節が前にいく猫背のようなポジションになります。あるいは、肩が上に持ち上がっている状態もあります。肩の高さの違いは、鏡で観るとすぐにわかります。鎖骨の高さや肩の内側のくぼみの深さが左右見比べるとわかります。
肩関節のポジションが悪いときは、筋肉の動きも悪くなります。肩関節から腕にかけての筋肉にも負担がかかります。筋肉に負担がかかると、筋線維の中にトリガーポイント(凝り固まった部分)ができます。トリガーポイントができると、放散痛がでます。
痛みの出る部分は、トリガーポイントができた場所によって変わります。
2筋膜炎による痛み
これも上記と同じような原因から、筋膜に炎症がおきて痛みがでます。炎症がでた部分に沿って痛みが出ます。
1、2ともに、トリガーポイント(筋線維の索状硬結)ができることが多く、治療ポイントになります。指などで押すと痛みが出る場所がトリガーポイントです。
3血管や神経が圧迫される
前述のような原因で、肩のポジションが悪くなると、筋肉や関節などに血管や神経が挟まれて圧迫されます。血管や神経が圧迫されると、血流障害などがおこり腕などに痛みがでることがあります。痛みが出る部分は、血管や神経が圧迫される場所によって変わります。
腕の痛みに対する対処法
なるべく痛みがすくなく良い状態をつくるのが理想です。そのために、安静とリハビリをバランスよく行うことが大切です。
患部の安静
五十肩の急性期は、特に痛みが強い時期です。炎症がおさまるまでは、なるべく安静にします。場合によっては、湿布などの消炎鎮痛剤を利用しても良いと思います。普段歩いているときも、ポケットに手を入れるなどして、なるべく肩に負担がかからないようにします。
患部以外のリハビリも大切
患部の安静と同時に、リハビリも行っていくとよいでしょう。炎症がおさまるまでは、肩関節の無理にストレッチをしたりすると逆効果になります。その間は、股関節や体幹の柔軟性をつけるなど、できることをやりましょう。股関節や体幹は、肩の動きと密接につながっています。股関節や体幹の柔軟性をつけておくことで、肩の回復も早くなります。
患部のリハビリ
炎症期が治まってきたら、少しずつ肩のリハビリを行います。まずは、肩甲骨を動かす運動と手首、肘を動かす運動を行います。肩は、痛みの出ない範囲で徐々に動かしていきます。
少しずつ肩の動きの範囲が良くなってきたら、肩や肩甲骨、肘まわりのストレッチを毎日行いましょう。引き続き股関節や体幹の柔軟性をつけるストレッチも行うと良いです。
人によって治る期間は違いますが、リハビリを続けていくと必ず良くなります。大切なのは、焦らずにコツコツとリハビリに取り組むことです。
五十肩で腕が痛くなるのは、五十肩の副作用的なものです。五十肩が治ってくるにつれて、腕の痛みも引いてきます。大切なのは、痛いのに無理をして動かしすぎないことです。なるべく早く治したい場合は、病院や治療院に通って電気治療や鍼治療、マッサージなど専門のリハビリを受けた方が良いと思います。
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