スポーツを全力で楽しむ方や、部活動に励むお子さんを持つ親御さんにとって、避けては通れない話題が「怪我」です。しかし、一口に怪我と言っても、転倒などのアクシデントによる「スポーツ外傷」と、積み重ねで起こる「スポーツ障害」は別物であることをご存知でしょうか?
今回は、知っているようで知らない「スポーツ障害」の基礎知識から、主な種類、そして長く競技を続けるための予防法までをプロの視点で解説します。

1. スポーツ障害とは?(「外傷」との違い)
スポーツにおける体のトラブルは、大きく2つに分けられます。
- スポーツ外傷: プレー中の衝突、転倒、捻挫など、一度の大きな衝撃で起こる急性の怪我。
- スポーツ障害: 同じ動作を繰り返すことで、特定の部位(骨、筋肉、靭帯など)に過度な負担がかかり、慢性的に痛みが出る「使いすぎ(オーバーユース)」による怪我。
「なんとなくずっと痛い」「練習の後半になると痛みが増す」といった症状は、スポーツ障害のサインかもしれません。
2. スポーツ障害が起こる3つの主な原因
なぜ、特定の場所に痛みが集中してしまうのでしょうか?主な原因は以下の3つです。
- オーバーユース(使いすぎ): 練習量が多すぎる、あるいは休息が不足している。
- ミスユース(間違った使い方): フォームが崩れている、自分に合わない靴や道具を使っている。
- ディスユース(急な再開): 準備運動不足や、体がなまった状態で急に激しい運動を行う。
3. 代表的なスポーツ障害の種類
部位や競技によって、現れやすい症状が異なります。
| 部位 | 症状名 | 特徴・主な競技 |
| 肩・肘 | 野球肩・野球肘 | 投球動作の繰り返しで発生。成長期の子どもに多い。 |
| 腰 | 腰椎分離症 | 腰を反らす・捻る動作の繰り返し。野球、バレー、サッカーなど。 |
| 膝 | オスグッド病 | 成長期の膝の痛み。ジャンプやダッシュが多い競技。 |
| 膝 | ランナー膝 | 膝の外側が痛む。長距離走や自転車競技に多い。 |
| 足首 | シンスプリント | すねの内側の痛み。陸上競技やバスケットボールなど。 |
4. 大切なのは「予防」!長く続けるための4つのポイント
スポーツ障害は、日頃の意識でリスクを大幅に下げることができます。
① 正しいフォームの習得
自己流のフォームは、特定の関節や筋肉に無理な負荷をかけます。指導者や専門家のアドバイスを受け、効率的で負担の少ない動きを身につけましょう。
② ウォーミングアップとクールダウン
- 開始前: 動的ストレッチで筋肉を温め、血流を良くします。
- 終了後: 静的ストレッチやアイシングで、使った筋肉の緊張をほぐし、疲労を残さないようにします。
③ 適切な休息と栄養
「休むことも練習の一部」です。週に1〜2日は完全休養日を設けましょう。また、骨や筋肉の修復を助けるたんぱく質やカルシウム、ビタミン類を意識した食事も欠かせません。
④ 違和感を見逃さない
「これくらいの痛みなら大丈夫」という我慢が、重症化を招きます。痛みが数日続く場合や、特定の動きで必ず痛む場合は、早めに整形外科や接骨院を受診しましょう。
まとめ
スポーツ障害は、一生懸命に打ち込んでいるからこそ起こるトラブルです。しかし、放置すれば大好きなスポーツを諦めなければならない事態にもなりかねません。
「正しい知識・正しいケア・正しい休息」をセットにして、最高のパフォーマンスを長く維持していきましょう!
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