股関節の安静時痛(じっとしている時の痛み)を含め、体の痛みにはさまざまな原因があります。その中で、意外と見落とされがちなのが「皮膚のすぐ下を通る神経の圧迫」です。
脊髄から枝分かれした神経は、筋肉の間を通り、最終的に皮膚の表面近くへと行き届きます。しかし、体のゆがみや筋肉の疲労によって皮膚まわりの組織が硬くなると、この神経がギューッと圧迫され、痛みを引き起こしてしまうケースがあるのです。

「どこに行っても痛みが改善しなかった」という場合、この神経の圧迫を優しく解放してあげることで、すっきりと楽になるケースが少なくありません。神経の通り道や圧迫されやすいポイントはある程度決まっているため、多くの人が似たような場所に痛みを抱える傾向にあります。
股関節の「大転子」まわりは神経の渋滞ゾーン
股関節の横側にある、一番ポコッと出っ張っている骨を「大転子(だいてんし)」と呼びます。実はこの周辺は、上臀皮神経や大腿外側皮神経など、多くの神経の枝が集中している「渋滞ゾーン」なのです。
股関節は前後左右、回旋など、とても自由で大きく動かせる関節です。しかし、自由度が高いぶん、日常生活の「動きのクセ」や「使いすぎ」の影響をダイレクトに受けてしまいます。
クセがつくと、関節が本来あるべき正しい位置(ニュートラルポジション)からズレてしまいます。すると、周囲の皮膚が引っ張られたり、神経が圧迫されやすくなったりする環境が作られてしまうのです。一度神経が過敏になると、ほんの少しの動きでも強い痛みを感じるようになってしまいます。
根本から「体のクセ」をリセットするために
神経の圧迫や引きつれが原因の場合、湿布などの一時的な対処療法だけでは、なかなか完全には痛みが引きません。体全体のバランスを見直し、股関節の柔軟性を取り戻しながら、根本にある「動きのクセ」を修正していく必要があります。
ご自身でできるセルフケアとしては、ヨガや入念なストレッチがとても効果的です。もし痛みが強い場合は、お風呂上がりの体が温まったタイミングで、決して無理のない範囲から少しずつ始めてみてください。
一番大切なのは、痛みが慢性化する前に、日頃からご自身の体と対話してコンディションを整えてあげることです。「おかしいな」と感じたら、まずは無理をせず、一歩ずつ体を見直していきましょう。

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