顔面神経麻痺とは?症状・原因・治療や経過・後遺症までの流れをわかりやすく解説!
「急に顔が動かしにくくなった…」「片方の口元がゆがんでいる気がする…」そんな症状に心当たりはありませんか?
顔面神経麻痺は、顔の片側または両側の筋肉が動かなくなる疾患です。
顔の筋肉が動かなくなるこの症状は、ある日突然あらわれることもあり、驚きや不安を感じる方も多くいらっしゃいます。
適切な治療が遅れると後遺症が残る可能性もあります。
この記事では、顔面神経麻痺の症状や原因、治療の進め方、そして後遺症の心配についても、わかりやすく解説していきます。
顔面神経麻痺の症状

顔の動きに関する症状
- 片側の顔が動かない(目や口が閉じにくい)
- 口角が下がる(水や食べ物がこぼれやすい)
- 額にしわを寄せられない
感覚や機能の異常
- 味覚の低下や異常(特に舌の前2/3部分)
- 耳の痛みや聴覚過敏(音が響いて聞こえる)
- 涙や唾液の分泌異常(涙が出すぎる、または乾燥する)
症状の程度は個人差があり、軽症の場合は違和感程度ですが、重症の場合は顔全体の筋肉がほぼ動かなくなります。
顔面神経麻痺の経過
顔面神経麻痺は、発症後の経過によって回復の見込みが変わります。
時期 | 目安の日程 | 症状 |
発症初期 | 1週間以内 | 急激に症状が悪化し、顔の筋肉が動かしにくくなる |
回復期 | 1~3ヵ月 | 治療を受けることで徐々に症状が改善 |
慢性期 | 3ヵ月以上 | 回復が遅れると後遺症が残る可能性がある |
適切な治療を行えば、80%以上の人が3か月以内に回復するとされています。しかし、重症の場合や治療開始が遅れた場合は、後遺症が残るリスクが高まります。
顔面神経麻痺の原因
顔面神経麻痺の主な原因は以下のとおりです。
① ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)
【約60~70%】
- 原因:ウイルス感染(単純ヘルペスウイルスなど)が関与
- 特徴:突然発症し、片側の顔が動かなくなる
- 回復率:継承なら90%以上が回復
② ラムゼイ・ハント症候群
【約10~20%】
- 原因:水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化
- 特徴:耳周りの水痘・強い耳の痛みを伴う
- 回復率:ベル麻痺に比べるとやや低く、後遺症が残ることも
③ そのほかの原因
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血):突然の顔面麻痺+手足の麻痺を伴う
- 腫瘍(顔面神経腫瘍など):進行が遅く、徐々に悪化
- 頭部外傷:交通事故などによる神経損傷
顔面神経麻痺の後遺症
回復が不完全な場合、以下のような後遺症が残ることがあります。
- 顔の動きが不自然になる(笑顔がぎこちない)
- 異常共同運動(シナキネシス):目を閉じると口が動くなどの異常な動き
- 涙の異常(ワニの涙症候群):食事中に涙が出る
- 筋肉の硬直やけいれん
後遺症を予防するためには、早期の治療と適切なリハビリが重要です。
顔面神経麻痺の治療法

顔面神経麻痺の治療法としては主に3つに分けられます。
- 薬物療法(発症早期の治療)
- リハビリ・マッサージ
- その他の治療法
1つずつ詳しくお伝えします。
① 薬物療法(発症早期の治療)
- ステロイド(プレドニゾロンなど):炎症を抑え、神経の回復を促進
- 抗ウイルス薬(アシクロビルなど):ウイルスの活動を抑制(ラムゼイ・ハント症候群の場合)
② リハビリ・マッサージ
- 表情筋のリハビリ:顔の筋肉を意識的に動かす
- マッサージ:筋肉のこわばりを防ぐ
③ その他の治療法
- 鍼灸・漢方:血流を改善し、神経の修復を促進
- ボツリヌス療法(ボトックス注射):異常な筋肉の動きを緩和
- 手術(重症例のみ):神経移植や顔面神経減圧術
顔面神経麻痺の鍼灸【私たちにできる事】
WHO【世界保健機関】は顔面神経麻痺を『推奨しない』から『弱く推奨する』に2023年に変更されました。
- 病院の診察で投薬中心に補助的に鍼灸を行う。
- 顔面神経を評価する【柳原方】を採用しています。
他にも、ご自宅でできるセルフケアをお伝えし、より早い回復を促します。
顔面神経麻痺に罹患した方で頭痛や肩こりの症状が出ることがありますので、そのような二次症状も丁寧にケアしていきます。
顔面神経になってしまったら【回復までの流れ】
「顔がうまく動かない…」などの症状が発症したら直ぐに病院の受診をしましょう。
早期に気づいて治療すると回復が早くなることがわかっています。
~回復までの流れ~
・医師が、症状の程度に合わせた治療計画を立ててくれます。(軽度~重度で治療方針が変わる)
・医師に鍼灸の併用について相談してみましょう。
・投薬治療と鍼灸を併用して治療開始です。
慢性的な顔面神経麻痺もご対応できますが、発症してすぐの時期(急性期)や、少しずつ良くなってくる(回復期)をすぎてしまうと、治療で少し良くなる可能性もありますが、大きく変わらないことが多いです。
当院での症例の紹介
顔面神経に罹患する方の多くは過度な仕事で疲労が蓄積して発症する事が多いようです。
男性50歳
- 発症初期 病院受診で2週間の入院を勧められるが断り投薬と鍼灸を開始しました。
- 初期はシワを寄せることや口からこぼれたりする。
- 発症2週間 頬が動きそうで動かない意識が出てくる。
- 発症3週間 ペットボトルの水が飲めるようになってくる。
- 発症4週間 口の運動がある程度できるようになるがまだ不十分、初期に比べたらだいぶ良い感覚がある。
- 発症5週間 だいぶ感覚が戻ってきている体感があるが、目の開閉がまだあり涙が出る症状がある。
- 発症2ヶ月 口の症状が治り歯も磨けるようになり日常生活も普通におくれるようになるが頭痛と肩こりの症状が出現する。
- 発症3か月 見た目には症状がわからないレベルまで回復するが、食事中に涙が出てるく【ワニの涙】症状が残存する。
週に一度の治療と病院の通院で症状がかなり改善しています。麺類も食べれるようになり見た目には至って普通に見えます。ワニの涙の症状がありますので病院との相談と鍼灸を継続しています。
当院での顔面神経の治療費
金額
初診料 1100円 一回目のみ
施術料 4400円
施術時間
30分程度
2週間に1回柳原法の検査を行います。